税務調査はどのような流れで進みますか
税務調査は規模や業種によって進み方の違いはありますが、一般的には次のような流れで進んでいきます。
税務調査は基本的に電話連絡から始まります。ある日突然「税務調査を行います」という電話がかかってくるのです。
ドラマやニュースなどのイメージとしては、調査官が突然自宅に押し掛けてくる場面が思い浮かぶかもしれませんが、このような無予告調査はあくまでも例外です。飲食店など現金売上があるタイプの業種では無予告調査も行われていますが、基本的にはいきなり調査官が自宅に来るようなことは少なく、まずは電話がかかってくるケースが大多数です。
この最初の電話で、「税務調査を行う旨」「過去何年分を調査するか」「どの税目(所得税、消費税など)の調査をするか」「税務調査の日時」などの説明を受けることになります。いきなり電話が来て焦っているかとは思いますが、どれも重要な内容ですので、メモを取るなど後から確認できる状態にしておくことが重要です。
ここで、「用事があって電話に出れなかった」「電話がかかってきたことには気づいていたが、知らない番号なので出なかった」など、後から番号を検索して税務署からの電話だったと気づくケースもあるかと思います。税務署から電話がかかってきたとなると、関わりたくない…そっとしておきたい…と思うかと存じますが、税務署からの連絡を無視するのは危険ですので、折り返して用件を確認する必要があります。というのも、税務署からの電話が全て税務調査の連絡という訳ではありませんし(確定申告書の記載の軽微なミスの修正連絡などの可能性もあります)、万が一税務調査の連絡だった場合にはこれを無視してしまうと刑事罰が科される恐れがあります。例えば、税務署からの税務調査の連絡の電話を無視し続けたりするなど、正当な理由なく税務調査を拒んだ場合には「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科されることとなります(国税徴収法第188条1項2号)。
最初の税務署からの電話連絡の中で、調査官から税務調査の日程が示されます。基本的には調査官側から「何月何日〜何日間に渡って税務調査を行います」という形で日程が示されますが、どうしても予定が空けられないなど正当な理由がある場合は、説明した上で別の日程に変更してもらうことが可能です。
また、この調査日程の連絡と併せて、調査官から準備しておいてほしい資料の説明がありますので、税務調査当日までに全ての資料を揃える必要があります。一般的には、過去3年分の売上に関する資料(請求書など)、経費に関する資料(領収書など)、通帳などを求められるケースが多いです。
いよいよ税務調査当日です。調査官が自宅などに直接来て、調査を受けることとなります。これを「臨場」といいますが、一般的にはこの調査官が自宅に来ることを税務調査と呼ぶことも多いです。事務所や店舗を構えているタイプの事業主の場合はその事務所や店舗で調査を受けることとなりますが、夜職の場合は自宅で調査を受けるケースがほとんどです。
この臨場(自宅での税務調査)は3日程度かかるケースが最も多いですが、夜職の場合スムーズに進むと1日で終わるケースもあります。当日の税務調査の流れは大まかに次のような形です。
・雑談
・夜職の仕事の内容に関する質問
・売上金や銀行預金の管理に関する質問
・生活費に関する質問
・今の仕事を始める前の仕事や生活に関する質問
・具体的な領収書、レシート、請求書、総勘定元帳などの資料の調査
・調査官が発見した非違(法令違反や間違った処理)に関する指摘
調査官は最初の雑談や現金預金の管理など大きな質問によって問題点にあたりをつけ、そこから細かい質問に進んでいくという形をとるケースが多いです。細かい質問を全ての事項について行うのは時間の関係上難しいので、このような形式を取ることとなります。したがって、税務調査を受ける側としては、雑談など一見して税金と関係が無いような質問であっても気は抜けず、しっかり考えて受け答えする必要があるといえます。
自宅などでの調査の終了後、税務署から電話や書面で連絡が入ります。内容としては、例えば次のようなものです。
・当日の調査で現金の流れに不透明な点があったので、追加で資料を提出してほしい
・当日は過去3年分を対象として調査を行ったが、2年分追加し、調査対象を過去5年分に変更する
・現金売上の一部を確定申告で計上していなかった件について、重加算税を課すべきと考えている
・今の仕事を始める前の確定申告をしていなかった期間(無申告期間)について、売上が生じていたと認められるため、この期間について追徴課税の決定処分を行うつもりである
上記はあくまでも一例ですが、調査官からの指摘は厳しいケースも非常に多く、税務調査を初めて受ける方はかなりのストレスになると思われます。そしてこの指摘は、厳しいというだけではなく、税務調査に慣れていない方からすれば「何を言っているのかよく分からない」「調査官が言っていることが正しいのかも分からない」という状況となるため、反証(反論)しようにも非常に難しいといえます。
また、自宅での税務調査の結果として特に怪しい点や間違った税務処理が見当たらなかった場合は、このように調査官から追加の連絡が来ることは基本的になく、後日是認通知(特に間違った点は発見されませんでしたという連絡)が来て終了ですので、逆に言うと追加の連絡が来た場合は必然的に厳しい内容ということになります。
上記の調査官からの指摘に対して反証・立証を行った後、税務署から結果報告の書面が届きます。書面の内容は大まかに、「間違った内容は何も見当たらなかった」または「間違った内容があったので修正しなさい」というものです。書面が届く前に、基本的には電話でも同じ内容の説明を受けることとなります。
もちろん、「間違った内容は何も見当たらなかった」という場合は何も問題ありませんので、このまま何もなく税務調査は終わります。しかし、書面の内容が「間違った内容があったので修正しなさい」というものだった場合、修正申告や期限後申告を検討することとなります。もし修正の指示に従わなかった場合、税務署側は強制的に追加で税金を課する手続を取ることもできます(更正・決定といいます)。したがって、税務署から修正などの指示があった場合は、そのままこれに従うべきか、最後まで抵抗するかの判断を行わなければなりません。この判断は極めて専門性が高く、初めて税務調査を受ける方には難しいものとなります。
以上が税務調査の一般的な流れとなります。一連の流れの中で調査官と折衝したり、調査官に反証したりといった場面が非常に多いことが税務調査の特徴となります。このように、税務調査対応は場数や専門性が求められることとなりますので、お気軽にご相談・ご依頼頂ければと存じます。お問い合わせは、ページ右上のお問合せフォームからお待ちしています。
